金利と為替の関係

これからFXなどに挑戦しようとお考えの方は、金利と為替の関係について考えたことはあるでしょうか。
金利と為替の関係に注目が集まり始めたのは、80年代に入り、「レーガノミックス」の一環として、米国が高金利政策を打ち出した頃からだと言われています。
その高金利政策が、結果として、大幅なドル高をもたらしたことから、為替マーケットにおいても、「金利」に対して注目が集まるようになりました。
加えて、オーストラリアドル、ニュージーランドドルやポンドなど、現在「高金利通貨」と呼ばれ、当時も金利の高かった通貨に対しても、金利に着目した需要が高まり、相場を押し上げる要因になりました。

その後、90年代に入ると、日米間の金利差に着目した「キャリートレード」手法がヘッジファンドなどで主流となり、その円売り需要によって、ドル/円は140円台まで大幅に下落する局面もありました。
このように、これまでの経緯を振り返ってみても、「金利動向」は、為替マーケットに対して大きな影響を与えていることがわかります。

金利について

金利は、大別すると名目金利と実質金利に分けることが出来ます。名目金利とは、その名の通り表面的な金利のことを指し、この名目金利に物価上昇率を考慮して算出されたものが、実質金利となります。
名目金利と実質金利の特徴を表す例として、これまでの日米の金利差が例として挙げられます。「ゼロ金利政策を打ち出した」日本と米国を比べた場合、名目金利においては、当然ながら米国がずっと日本を上回っていますが、この名目金利に物価動向を反映させると、日本の方が実質金利は高かった、ということが過去においてありました。
つまり、名目金利だけでは、必ずしも両国間の金利差は図れないことがよく分かります。

米国、ユーロ圏、英国、あるいは日本といった経済大国においては、「金利高=通貨高」という発想は、ある程度一般的ですが、開発途上国においては必ずしもそうではありません。
開発途上国の中には、金利が10%以上という国も多数ありますが、政治的・経済的に不安定な国も多いため、外から資金がそういった国々に流れることは、ほとんどないのが実情です。
「金利高=通貨高」という考え方は、政治的・経済的な安定を基本的条件として、さらに資金をいつでも出し入れできるという「マーケットの流動性」があることが、必要条件だと言えます。

FXとは

FXとは、外国為替を差金決済することが可能な取引です。具体的には、証券会社などのFX取引業者に証拠金と呼ばれる資金を預けて、その証拠金の額に応じて、一定額までの外国為替の売買ができます。その売買には実際に現金の移動は行わず、最終的な取引終了(例えば、ドルを買った場合、そのドルを売る)時点で、差益または差損を決済するという取引です。
まどろっこしい書き方ですが、ざっくりと説明すると、FX取引は、預けている資金の数倍~数十倍の金額での取引が可能な外国為替取引ということになります。
たとえば10万円を預ければ、100万円や200万円分の米ドルを購入したり売ったりすることができる取引です。近年個人投資家を中心に外貨取引の中でも最もメジャーな取引となっています。

FXの仕組み

FX(外国為替証拠金取引)というのは、簡単に説明すると、外貨取引の信用取引です。証拠金という担保を証券会社などの金融機関に預けておく事で、その数倍~数十倍の外貨取引をすることができるのです。
FX取引は簡単に考えると、一定の為替レートで外国為替を売買する約束をしているようなものです。例えば、現在の為替レートが1ドル100円で取引されている場合、この為替レートで、1万通貨分のドルを買う約束(権利と義務)をするのです。
その約束は将来、差額を受け取る(支払う)ことで終了させます。例えば、その後1ドルが105円になったとします。あなたは、1ドルを100円で1万ドル分買う権利義務を持っています。この場合、あなたは権利を行使することで、100万円支払って1万ドルを買います。その後その1万ドルを売れば105万円で売れますので5万円儲かります。
しかし、FXの場合差金決済といって、そんな面倒なことをしなくても現在の為替レート105円から購入した為替レート100円を引いた5円に買った通貨分(1万ドル分)を掛けた資金を受け渡ししたらいいじゃないというルールで取引されます。

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