ユーロ市場

ユーロ市場とはいいますが、ユーロという名称は、現在の欧州統一通貨の「ユーロ」とは関係は無く、冷戦時代にソ連・東欧諸国がアメリカの銀行から、ヨーロッパ各国の銀行に巨額のドルを預け替えたことが原因で、「ユーロ市場」と名付けられたそうです。
ユーロ市場とは、各種の規制から除外されて自由に取引できる国際金融市場をいいます。
一般的に、国は金融システムの安定を図る目的で、他国との通貨をやりとりする場合は、規制を定めています。
したがって、国際金融取引は国内金融取引と比較し、規制がかかるため利用が面倒となります。
ユーロ市場は、グローバル化が進行している世界各国の経済活動において、国を超えた資金調達・運用を自由にできるようにした金融市場です。
ユーロ市場は、規制の多い他国との金融取引を円滑に行うために誕生しました。

オフショア市場

オフショア市場とは、他国の企業・政府などの非居住者が、より自由に資金を調達し運用ができるように、金融規制や税制で優遇されている国際金融市場です。
オフショア市場は、ユーロ市場が拡大すると共に、各国が設立した国際金融市場で、自国の金融規制とは区別されています。本邦オフショア市場は、日本国内の国際金融取引を活発化させるため、1986年に設立された日本の国際金融市場です。
日本国内において、非居住者から非居住者への自由な金融取引を認めています。
資金の出し手・借り手の両方が海外に居住している者同士の取引である「外外取引」のみ、金融規制が廃止され、取引が認められています。
国内市場とは全く分離されており、JOMで取引している金融機関には一般勘定とは別に「オフショア勘定」という会計処理が義務となっています。注意点としては、JOMで海外からの資金を調達しても、国内市場に移動させることはできません。

世界の金融市場、今後の動き

米国の不動産市況は引き続き厳しい状況となるでしょうが、政府系金融機関による住宅ローン債権購入額の拡大など、危機を防ぐために追加的な措置が取られることでしょう。
また、住宅ローンの保証を行なっている企業や住宅金融会社の資金調達を助けることもまた、必要となってくるかもしれません。
下期の米国経済は冴えないものの、それでも+2.0%を超える成長を維持すると見込まれています。世界が景気後退を回避するのに十分な勢いを維持すると引き続き考えられます。

商品市況はさほど大きく下落しておらず、このことは、世界経済の成長が引き続き堅調であることを示唆しているだけでなく、各国中央銀行があまりに金融緩和的になることを抑制するものであると思われます。
なお、中国の輸出価格指数が引き続き急上昇するなど、世界的にインフレ上昇圧力が見られています。これらの状況を考えると、各国中央銀行は、利上げを行なわないとみられますが、利下げは制約を受けざるを得ないでしょう。

市場コンセンサスでは、ECB(欧州中央銀行)が9 月に追加利上げを行なうとみられているようですが、現在の状況を考えると、これが実現する可能性は低いと考えられます。
ECBも、利上げが現実的でなくなったことをまもなくほのめかす可能性があるとみられますが、こうした話もまた、市場を落ち着かせるのに寄与することでしょう。
主要国の中央銀行が利上げを見送ると予想される一方、新興国のなかには利上げが必要となる国が出てくる可能性があります。

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