アメリカの金融市場

世界の金融市場をリードする存在なのが、アメリカです。なぜなら、アメリカの金融市場には、世界の証券取引の中心的存在とも言うべき「ニューヨーク証券取引所」が存在するからです。
ニューヨーク証券取引所は、マンハッタン地区・ウォール街にある世界最大の証券取引所です。
ウォール街は金融機関が密集している金融街であり、規模は異なりますが日本で言うところの東京証券取引所がある「兜町」に該当します。
ニューヨーク証券取引所は1792年に設立されたアメリカで最も古い証券取引所であり、売買高・時価総額ともに世界一となっています。
ニューヨーク証券取引所での売買状況は、世界中の投資家が注目していることもあり、ここでの市場動向は全世界の証券取引所あるいは各国の経済にまで影響を及ぼします。

アメリカの主な株価指標として、「ダウ平均株価」があります。
ダウ平均株価とは、アメリカの通信社であるダウ・ジョーンズ社が発表する株価指標で、ニューヨーク証券取引所の上場銘柄30社を選択し、株式分割などの影響を調整しながら単純平均して算出したものです。
ダウ平均株価も世界で最も古い株価指標であり、日本の日経平均株価もこの算出方法に準じています。

アメリカの中央銀行制度

アメリカは国土が広く、州ごとに独立した自治を行っているため、中央銀行の役割を持つ組織が複数存在する「中央銀行制度」を導入しています。
1913年、連邦準備法により創設されたアメリカの中央銀行制度を「連邦準備制度(Federal Reserve System)」と呼びます。
「連邦準備制度(FRS)」には、中央銀行制度の中枢機関であり政策決定機関でもある「連邦準備制度理事会(FRB)」、金融政策の最高意思決定機関である「連邦公開市場委員会(FOMC)」、金融政策の実施する業務執行機関である「連邦準備銀行」という組織があります。

連邦準備制度加盟銀行は、連邦準備銀行に対して預金残高の一定割合を預入する義務があります。
この預け入れるお金を「準備預金」といい、「フェデラル・ファンド」と呼んでいます。
フェデラル・ファンドの残高が充分ある時、準備預金が不足している他の銀行に貸し付けることがありますが、この貸出金利を「FFレート(フェデラル・ファンド・レート)」と言います。
FRBが「FFレート」の誘導目標を設定し、アメリカ金融市場の安定化を図っています。

国際金融市場

国境を越えて資金貸借や決済を行うのが国際金融であり、国際金融市場とはそのような国際的な資金取引の行われる市場機構の総称で、ある特定の取引所や金融機関を指すものではなく参加者は各国の金融機関、政府、企業などです。
国際金融市場はグローバルな取り引きの中心となる中心市場と地域的な役割をはたすローカル市場、そしてその他の市場からなります。

現在の中心市場はニューヨーク、ロンドン、東京であり、ローカル市場はパリ、フランクフルト、チューリヒ、シンガポール、香港などがある。これら伝統的な国際金融市場と異なり、国境の制約を越えた新しい国際金融市場であるユーロカレンシー市場の台頭も著しいです。
国際金融市場で取り引きされる資金は膨大な額に昇り、それが瞬時に各国間を移動します。各国通貨の投機的な取り引きも多く、それが為替レートを乱高下させ世界経済を不安定にしているという批判があります。
しかし国際金融市場での自由な資本取引を阻害すると、世界の経済発展にマイナスの影響があるという意見も多いです。

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