市場リスク

投資には、さまざまなリスクが付き物です。ここでは、その一部について解説していきます。
まず、市場リスクとは、市場全体の動向が投資対象に与えるリスクです。例えば、ある特定の会社に投資をしていたとしても、日経平均全体が下落するような場合には、普通その会社の株価も下落します。この時の価格変動リスクが市場リスクです。
また、もっと大きく見れば、ある輸出を本業とする会社の場合には、為替レートが円高に進むことは、円換算した際の利益を押し下げることがあります。
これもその会社にとっては市場リスクである(為替リスク)。ほかにも原材料価格の値上がり(仕入れ価格の値上がり)、借入が大きい企業にとっては金利上昇(金利リスク)も市場リスクとなります。
逆に、外国との取引が直接的、間接的にほとんど無い業種の場合には為替市場における市場リスクは小さく、借金が少ない会社の場合も金利市場における市場リスクは小さいなどと判断できます。

カントリーリスク

カントリーリスクとはその国特有のリスクという意味で使われます。特に資産運用・投資の分野においては、外国株式や外国債券などに投資をしたときに行われるデノミ、クーデター、不透明な政策などがリスクとして挙げられます。
特に、政治的に不安定な国ほど、カントリーリスクは高いとされ、日本では考えられないような政策が採られることもあります。例えば、預金封鎖や企業の強制的な国有化、通貨の切り下げや無効化などがリスクとして挙げられます。
カントリーリスクの大きさについては、国に対する信用リスク(デフォルトリスク)とも近いといえ、国ごとの信用リスクについては格付機関の信用格付などが参考にもなります。 先進国よりは発展途上国のほうがリスクは大きいとされています。

価格変動リスク

価格変動リスクは、その名前の通り、投資対象の価格が変動するリスクを指しますが、一般的な認識としては投資した金額よりも金額が下がってしまうことを価格変動リスクと呼ぶ場合が多いようです。
例えば、銀行預金については元本を銀行が保証していますので、価格変動リスクはありません。
一方、債券の場合、満期まで保有していれば元本は発行元が保証していますが、期間中は市場金利が変動することにより若干、債券価格が上下します。
この場合価格変動リスクがあると言うことになります。また、株式の場合、投資をした株が大きく値上がりすることがあれば値下がりすることもあります。外国為替取引の場合も同様です。

さらに、株式投資や為替の場合は、信用取引やFXなどを活用することで「レバレッジ」を掛けることができます。仮にレバレッジが2倍の場合は価格変動リスクは2倍になります。
このように、金融商品により価格変動リスクは様々でさらに、取引方法によってはそのリスクをさらに大きくすることができます。一方で、価格変動リスクとは利益を得ることができる可能性という側面当然もっています。

為替リスク

為替リスクとは、「価格変動リスク」の項目でも解説している通り、外国為替取引における為替レート変動による価格変動リスクのことです。
為替リスクは大きなリスクという方もいますが、為替リスクをリスク0にすることも可能です。それは、外貨のまま持ち続けることを前提とする場合です。

例えば、アメリカのドルを考えた場合、米ドルをアメリカに旅行にいった場合のお買い物資金などとして貯めている場合、円に戻さずにそのまま外貨として利用することになるので、為替リスクはありません。
また、為替リスクは言い換えれば「日本」という国に対するリスク(信用リスク)へのヘッジとなるリスクです。仮になんらかの事情により日本という国が破綻(またはそれに近い状態)になった場合、日本でしか通用しない「円」という通貨の価値は限りなくゼロに近づくでしょう。
そうした際にいくら日本円で1億円持っているといっても世界的な価値はゼロになってしまいます。こうした時、外国通貨を保有しておけばそれはこれは円に対するリスクヘッジとなります。

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